マリ戦で日本代表がチェックすべき3つのポイント…各所で行われるテストとは? 

6月の2018年ロシアワールドカップ本大会まで、日本代表に残されたテストマッチはわずか5試合。23日のマリ戦(リエージュ)は非常に重要なテストの場となる。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「マリはアフリカンパワーを前面に押し出す典型的なチーム。パワー、俊敏性、瞬発力もあり、デュエルも厳しくやってくるチーム」と評した通り、仮想・セネガルと位置づける相手といい戦いができなければ、本番に暗雲が漂いかねない。欧州組を加えたチームでは昨年10月のニュージーランド戦(豊田)から白星が遠ざかっている日本だけに、今回こそは内容ある勝利を収める必要がある。

■メンバー構成は?

指揮官が「今回は4~5人ほど予定した選手が来れなかった。もちろん麻也(吉田=サウサンプトン)、宏樹(酒井=マルセイユ)、真司(香川=ドルトムント)にいてほしかった」と嘆いたように、主力不在のチームのメンバー構成がどうなるかは第1の注目点。まず吉田、酒井を欠く最終ラインは右から宇賀神友弥(浦和)、昌子源(鹿島)、槙野智章(浦和)、長友佑都(インテル)という並びになりそうだ。

右サイドバックに関しては、追加招集した酒井高徳(HSV)の代表経験値が圧倒的に高いが、ハリルホジッチ監督は「高徳も少し問題を抱えている」と会見で発言。今回は宇賀神を右に据える大胆采配を見せるようだ。

「言われれば右もできなくはないですし、自分は何回も経験してるので、やれるところを見せられればプラスアルファに働いてくる。準備をしておいた方がいいと思います」と本人も合宿初日から覚悟をにじませていた。そんな彼にしてみれば、千載一遇のチャンスをつかむか否かでロシア行きの行方が決まると言ってもいいだろう。アルベルト・ザッケローニ監督時代から酒井高徳が担ってきた「左右両方をこなせるユーティリティ枠」を苦労人のサイド職人が奪えるのか。そこは非常に興味深いところだ。

              

■吉田不在の守備陣が世界に通用するか

吉田不在のセンターバックは槙野が中心となって統率することになる。「麻也がいないことで、僕らにとってはいいチャレンジになる。後ろは11月(ブラジル・ベルギー2連戦)、ゼロに抑えることができなかったので、そこに焦点を合わせていかなければいけない。ラインをコンパクトに保つ姿勢、勇気を持って上げることを全うしたい」と本人もやるべき仕事を明確に描いている様子だ。身体能力の高いマリ攻撃陣のスピードや強さは最も警戒しなければならない点。昌子も「クラブワールドカップでアフリカ勢とやった時はビビるくらいの身体能力だったけど、今は想定内でできると思う」と自信をのぞかせた。もちろん最後尾に陣取るであろう川島永嗣(メス)のサポートも重要になってくるが、この2人で日本の守備を担えるのか。そこもチェックしなければならないポイントと言っていい。

■中盤では大島がカギに

守備陣同様に、中盤の連動性やバランスも再確認しなければならない点。というのも、今回は最終予選終盤から11月2連戦にかけてレギュラーを張っていた井手口陽介(クルトゥラス・レオネサ)がメンバーから漏れ、山口蛍(C大阪)もベンチスタートになる見通しだからだ。ハリルホジッチ監督が起用すると見られるのは、長谷部誠(フランクフルト)、大島僚太(川崎)、森岡亮太(アンデルレヒト)というフレッシュな組み合わせ。長谷部をアンカーに置く逆三角形型なのか、長谷部・大島をボランチに並べる三角形型なのかはハッキリしないが、一番のカギになりそうなのが大島の動きだろう。

「大島は私の就任当初、追いかけていた彼よりはるかに発展している」と指揮官も絶賛した通り、今季の川崎では攻守両面での質と量が格段に上がっている。チームメートの小林悠(川崎)も「僚太は守備の意識や攻守の切り替えが去年あたりから成長していて、代表でもすごく大事な選手になるんじゃないかなと思います」と太鼓判を押していた。大島自身は「僕は個人でどうこうするっていうより、味方との距離を大事にしながらプレーするタイプ。そういったところを出したい」と意欲を示したが、まさに周囲と生かし生かされる関係を築ければ、日本のサッカーに鋭さが出てくるはず。今回はリオデジャネイロ五輪世代の成長株に大きな期待を寄せたい。

■最前線にはハリルの秘蔵っ子3人が君臨

そして攻撃陣だが、1トップに大迫勇也(ケルン)、右FWに久保裕也(ヘント)、左FWに原口元気(デュッセルドルフ)が入る模様だ。この顔ぶれはハリルホジッチ監督が現時点で最も信頼を寄せるアタッカー3人と言っていい。大迫は直近のドイツ・ブンデスリーガ・レヴァークーゼン戦でも値千金の先制弾をマークしていて絶好調。原口も1月末のデュッセルドルフ移籍後、脳震盪に見舞われたものの、ここへきて本調子を取り戻しつつある。久保の方は2018年に入ってからヘントで1ゴールと足踏み状態が続く。三者三様の状況ではあるが、やるべきことはゴールに直結する動き。なりふり構わず、そこに突き進んでいくしかない。

「(2016年11月の最終予選・サウジアラビア=埼玉以来)1年4カ月ぶりのゴール? 決められると思う。今のコンディションだったらしっかり走れるし、ゴール前にも入っていける。自分でもいい仕掛けができる」と原口も自信をみなぎらせていた。彼が4試合連続ゴールを奪っていた最終予選前半のキレと鋭さを取り戻し、久保もちょうど1年前のUAE(アルアイン)・タイ(埼玉)2連戦で2得点3アシストと爆発した頃のような推進力を取り戻すことができれば、日本の得点力は間違いなく上がる。両サイドがゴールを奪わない限り、日本の決定力不足は解消されない。そこは後半から出るであろう本田圭佑(パチューカ)や中島翔哉(ポルティモネンセ)にも求められるところ。多彩なタレントが揃ったサイドアタッカー陣の意地と底力をぜひとも見せてほしい。

「今回の目的は2つの試合で勝ちに行くこと。いい環境といい雰囲気を作らないといけない」とハリルホジッチ監督も語気を強めていたが、ここまでの停滞感に区切りをつけ、勝ち癖をつけてロシアへなだれこむことができれば理想的。そういう前向きな方向に向かうべく、マリ戦では守備陣、中盤、アタッカー陣のそれぞれがやるべきタスクを確実にやり切ることが肝要だ。